地震で起こされて

地震で起こされたのは午前五時。カミさんは、脊柱管狭窄の症状が強くなって、葬儀への出席は難儀になり、ほかの方の迷惑になってもとギブアップした。友人の告別式が終り、出棺。見送りに出たバスにゆとりがあり、同期の男性が誰も乗って居なかったので、淋しい思いをさせたくはないので、霊園まで、一緒に乗って行くことにした。

バスは、彼の思いのこもっている手塩にかけた病院横でとまった。葬儀に参列が出来なかったスタッフや患者さん方が寒い中、見送って呉れていた。彼の人望を顕す一つの証である。やがて霊園に到着、火葬。控室で、収骨室に呼ばれるのを待っていた。

他の控室の方々が次から次と呼ばれたが、最後になった。割り箸でまだ熱い骨を隣の方に渡しながら、涙がにじんできた。医学部に入学以来、４０数年の付き合いが、急逝で〆られるのが辛かった。斎場に戻ってから４９日取り越し法要に参加、お経が終わり。葬儀一切が終了したことが宣言された。夕闇の迫る中、凍結した道をそろそろ運転で帰宅した。午後４時を過ぎていた。今日も長い一日だった。

帰宅後、確認した法要のお経の最中にマナーモードの携帯を震わせたのは、留萌の釣り仲間からの電話だった。